|空売り規制とは何かを理解しよう
自分がホールドしている銘柄がある時、「空売り規制」の対象になってしまった経験はありませんか?
または、せっかく空売りを仕掛けようと思ったのに、規制が入ってしまって執行できなかったり。
株式投資にはさまざまな規制がありますが、この空売り規制は頻繁に遭遇しますので、きちんと理解しておきましょうね。
投資家必須の知識になります。
ここでは空売りについての説明は省きますが、信用売り注文が、ある条件下ではできなくなるということを、何となくでもいいのでまずは頭に入れておいてください。
まず空売り規制とは、「ある一定の価格以下での「信用売り(空売り)」はできませんよという条件が入ること」です。
で、なんでこのような規制があるのかというと、
株価の急な下落に対してある程度の規制をかけないと、そのまま下げが行き過ぎてしまい、多くの投資家が損害を被る可能性があるからです。
株価は上がるときより落ちるときのほうがスピード的に速い傾向がありますよね。
これは、個人投資家の狼狽売りや、機関投資家の大量空売りが重なり合ったりすることで、”暴落”が引き起こされやすいからなんです。
なので、空売り規制は市場にパニック的な混乱を少しでも抑えるためにも、絶対に必要なルールだとわたしは思います。
それで、空売り規制で必ず理解しておくべき最重要ポイントは、
「取引時間中に空売り規制が入ったとき、”51単元以上”の新規空売り注文を出す場合、直近に公表された価格以下での空売り注文ができない」ということです。
「単元」とは、銘柄によって違いますが、最低売買可能株数のことです。
新興市場なら100株から取引できる銘柄が多く、東証1部などの大型銘柄では1000株単位からという場合が多いです。
100株から取引きできる銘柄なら、
51単元➡51×100=5100(株)というように計算します。
|空売り規制が発動される条件とは?
で、空売り規制が入る条件というのは、ある銘柄の株価が「トリガー価格」以下になったとき(トリガー抵触)です。
このトリガー価格というのは、当日の基準値段の10%以下の値段のことで、この価格以下で約定されると「トリガー抵触」になり、空売り価格規制が発動されるんです。
注意点として、その日にトリガー抵触になった銘柄は、翌営業日の取引終了時まで、価格規制が継続しますのでこの点も頭に入れておきましょう。
空売り規制については、以下の画像を見ればイメージしやすいかと思います。
|空売り規制後に株価が上がるとはかぎらない
この空売り規制が発動されるときというのは、直前でかなり売り込まれた場合が多いので、規制が入ったからといってその後に株価が上がる保証はまったくありません。
なぜなら、その銘柄が持っている”材料”が出尽くしたときや、失望売りが入った場合、空売り規制など関係なく、利確売りなどが多く入るからです。
ただ、わたしの経験上、規制が入るとやや株価が落ち着くことが多いように感じます。
もちろん空売り規制が入っても下落し続ける銘柄もありますが、規制を起点にリバウンドするケースもあるので、デイトレードで短期的な値幅を狙うトレーダーには大きなチャンスになることもあります。
「空売り規制が入ったから株価は上がるだろう」とは絶対決めつけずに、その瞬間の株価の動きを冷静かつ客観的に判断してトレードしていくことをおすすめします。
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